生産性阻害要因と解決ノウハウ/生産性阻害要因に応じた解決策のご提案

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「知的生産性向上を阻害する要因」 VS 「知的生産性向上手法」

ここでは「知的生産性向上を阻害する様々な要因」と、それに応じた解決策としての「知的生産性向上手法」をご紹介します。







AさんはB部長から次のような指示を受けました。
「Aさん、実は今月末までに、来年の春に入社する新人が何人必要かを決めなければいけないんだ。それを手伝って欲しい。」
「各部が何人の人員を必要としているかを、各部長にメールを出して、その結果をまとめて欲しいんだ。」
「あ、そうそう、少し早めに終わらせてくれる?出来る限り早めに頼むよ。」

指示を受けたAさんは早速、業務に取り組み始めました。しかし、いざ取り掛かるといくつか疑問点が湧いてきました。
「最終的にB部長に資料を提出する時は、合計人数が分かれば良いのだろうか?それとも部署別に人数が分かった方が良いのだろうか?」
「ひょっとしたら男女別に人数が分かった方が良いのだろうか?」
「早めと言っていたけど、具体的にはいつまで必要なんだろうか?」
「口頭での報告でよいのだろうか?それとも何か書面でまとめた方が良いのだろうか?」

Aさんの業務はすっかり滞ってしまいました…





仕事において、まず行うべきことは「ゴールを明示すること」、つまり、「仕事の終わりの形を明確にすること」です。これを「ゴール明示の原則」と呼びます。「何をどのくらいの品質で行えば、その仕事が完了したと言えるのか」が鮮明になっていなければ、いつまで経っても仕事の終わりが見えず、目的が達成されません。
優秀な人の仕事の仕方をよく観察していると、一様に、まずゴールを明示してから仕事に着手しています。一方、ゴールを明示せずに、ただ漫然と仕事を行うと、その仕事が本来持っている目的とはかけ離れたところへいってしまいます。

指示を受ける時には、必ずゴール(指示者の目的・期待水準)を確認します。ゴールを明確にする事で、業務の品質を確認する事が出来ます。例えば、上司は、この報告書を社内向けの連絡で使う目的で「簡単でよい」と考えていてもそれを伝えなければ、部下は必要以上に頑張って過剰品質の報告書を作成してしまうということもありえます。

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C部長は大変忙しい状態がずっと続いていました。本来は、新たに配属された新人に手取り足取りいろいろと教えてあげなければならない立場ですが、忙しさのあまり、仕事の指示を出す際も「きっと自分で考えて、工夫してやってくれるだろう」と思っていました。

そんな折、新人から相談を受けました。「すいません、いろいろと指示は頂いているのですが、進め方で行き詰ってしまって…どうしたらよいか分からないんです。」





仕事を効率的に進める上では、効果的なプロセスで進めることが必要です。その為に必要な考え方が「タスクブレイクダウン(業務分解)」です。タスクブレイクダウンとは、「業務(タスク)」を「分解(ブレイクダウン)」することであり、一つの大きな仕事をたくさんの小さなタスクに分けることを意味します。

「どのようにして仕事の終わりに到達するか」を具体的にイメージすることが難しそうに見える「複雑な業務」も、実は「単純な業務」が組み合わさったものに過ぎません。それらを一つひとつクリアーにしていくことができれば、誰もが同じようなやり方で仕事の終わりに到達できるようになるはずです。

この時、気をつけなくてならないのは、効率的に業務の分解を行うには、適切な「単位」がある、ということです。細かく分解し過ぎても、単なる作業になってしまい、かえって煩雑になってしまいますので、ゴールが明確な単位まで(終わりのイメージが明快になるまで)業務を分解するようにしましょう。

自分自身で、その業務のイメージが明確にわからない時、あるいは長期プロジェクト、大型プロジェクトのような場合、複数のメンバーが絡む時、マニュアルとして後で使う場合にはタスクブレイクダウンを使いましょう。




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「今日は午前中の内に企画書を仕上げてしまおう」と張り切って仕事をスタートしたところ、上司からまったくの別件で呼び止められました。どうやら、上司の担当している顧客先の競合情報を緊急で調べる必要があるようです。結局、そのまま上司との打ち合わせに同席させられて、その日の午前中は全く自分の仕事ができませんでした。

気を取り直して仕事をスタートしたところ、今度はお客様から電話が掛かってきました。先日納品をした商品についての問い合わせで、いろいろな質問に答えている内に、1時間ほど時間が経過してしまいました。お客様からのお問い合わせですので、文句を言う訳にもいきません…





スケジュールを立てて「さあ取り掛かろう」という時に、突発業務や雑用が入ってきて中断することを余儀なくされるということは頻繁に起こります。そして、こういった業務に対応していくと知らず知らずのうちに当初計画していた業務が後回しになり、達成できなくなってしまうということが起こります。

これは不運なのではなく、社会でコミュニケーションを取りながら仕事をしている以上、やむことのない事態だとDIPSでは捉えます。そこで先手を打って、あらかじめ「突発業務・雑用を処理する時間帯」(防衛時間)を一日の中にスケジューリングしておくことが必要となります。これを「雑用優先の法則」と呼びます。

特に、このように優先的に雑用を処理する時間を30分としてスケジュール化し、改善を行うことを「防衛の30行動」と呼びます。これによって、「防衛時間以外は主体業務に集中する」というリズムを作り出すことができ、生産性を大幅に改善できるのです。




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顧客先C社から「今度、商品の紹介をしてほしい」と言われてアポイントを明日に調整しました。しかし、最新の商品カタログが明後日にならないと届かないことが分かりました。
Aさんは、「いったんアポイントを調整してしまったから仕方ない」と思い、翌日C社にカタログを持たないまま訪問しましたが、十分に紹介できず、結局、後日再度訪問することになってしまいました…





どのような仕事をする時においても、仕事の依頼先や顧客の「了解」が一切に優先します。これを「了解のP(プライオリティ)」と呼びます。

逆に言うと、仕事の依頼先や顧客の了解が得られさえすれば、いかようにも業務の優先順位を変更することができる、ということを意味します。仕事を依頼する人は常に絶対必要な仕事だけを依頼してくるわけではありません。また、指定する納期にも絶対的ではない場合があります。

そのような場合、自分の仕事の生産性が高まるような内容や納期に変更してもらった上で引き受けるようにしなければなりません。




IさんとJさんは同期入社で全く同じ営業の職場を経験してきました。しかし、数年経った今、2人の成績や人脈の広さには大きな差がついてしまっています。なぜこんなに差が生まれてしまったのか詳しく見ていくと、次のようなことが分かりました。

Iさんはただ真面目に顧客訪問を行い、顧客担当者が望んでいることに忠実に応えようとする活動を行ってきました。一方、Jさんは、お客様とのアポイントがとれた際には、まず「せっかく訪問するのだから、あの情報も持っていこう。今回のテーマとは関係ないけど、このセミナーもご案内して差し上げよう」と考えながら活動していたのです。また、1つの会社に訪問する際にも「せっかく1時間も掛けて訪問するのだから、ついでに近くのあの企業にもご挨拶をしに行こう」と別のアポイントを入れるようにしていたのです。

結果、Jさんは顧客の様々なニーズを発見することができ、また、何人もの新たなお客様をご紹介して頂けるようになったのでした。これがIさんとの成績の差として表れていたのです。





それ自体は優先順位の高い業務ではなくとも、ある瞬間に、優先順位が高まる場合があります。それは時間を節約できる場合です。これを「節約のP(プライオリティ)」と呼びます。

例えば、郵便物を出す為に郵便局に行く人がいたら、本来低い優先順位であっても「切手をついでに買ってきてもらうよう依頼する」ことの優先順位が高まります。同時に処理できる為、時間を節約できるからです。

会議の場においても、せっかく何人もの人が集まっているのだから、その会議に合わせて検討できる資料を揃えておけば、一度の会議で何件ものテーマを検討できることになります。





現在、会社で進めている重要プロジェクトの会議が終わり、メンバー間で、次の会議日時を調整していました。その時、あるリーダーから次のような発言が聞こえてきました。「次の会議日程ですか?私はいつでもいいです。適当に決めましょう。来週火曜の13時で良いですか?」





原則、仕事においては一度決定した時刻は第一優先で守る必要があります。(例えば、資料の完成の納期、会議の開始時間など)これを「時刻のP(プライオリティ)」と呼びます。当然のことですが、この当然のことを意識できていないと生産性が下がる行動をとらざるを得なくなってしまいます。

例えば、上記の事例においては、仮に来週火曜に何もアポイントがなく、何時でも調整可能であったとしても、あらゆる可能性を考えて時刻を設定しなければなりません。13時というのは、午前中の仕事が延びて昼食をとる時間が遅れたり、部下や取引先との連絡事項が必要で、会議の時間が遅れがちです。仮に自分は時間通り集まれたとしても、他のメンバーが遅れてくる可能性も高く、効率が悪くなってしまいます。



「時刻のP」がしっかりと意識されていると、決定した時刻と時刻との間に空白部分が生まれます。ちょっとした隙間時間には、あまりまとまった仕事は行うことはできませんが、逆に、その時間で処理できる作業を埋め込むことができれば、非常に効率的です。これを「埋込のP(プライオリティ)」と呼びます。

例えば、ファイルの整理、経費精算、名刺の整理…などが考えられますが、普段からこういった「ちょっとした時間」でできる作業をストックしておくことで、時間の有効活用が可能となります。




全く新しい社内のイベント企画を指示されました。そこで、まず最初に何をすべきを考えます。

「過去のイベントの中に、何か参考になるような事例はないだろうか。新聞や雑誌の記事データベースを検索してみようか…」

「そもそもなぜこんな全く新しいイベントをやろうと考えたのだろうか。その発案意図を上層部にヒアリングしてみよう…」

「さて、どちらの作業を優先させようか…」

「よし!上層部にヒアリングをするにしても何か準備をしておいた方が良いだろう。もし記事データベースから面白い記事をいくつか見つけることができたら、上層部へのヒアリングの際にも参考になるだろう。自分の企画すべき方向性も見えてくるかもしれない」





上記4つの視点で優先順位の決まらない業務については、「価値の確かさ」で優先順位を決めましょう。これを「価値のP(プライオリティ)」と呼びます。つまり、「価値があるか分からないけれどもやっておいた方が良いだろう」という作業は、後に廻すべきであると言えます。

上記の事例では、価値のPの視点からすると間違った選択となります。なぜなら、上層部へのヒアリングの結果によっては、全く見当違いのデータを検索してしまう可能性があるからです。まず上層部へのヒアリングを行うことで、もっと有効な記事検索ができる可能性が高まる(つまり、価値の確かさが高まる)のです。






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